いやぁ、今日は寒かったですね。寺田です。
今日は、映画『レナードの朝』の原作者として有名なオリバー・サックス氏のメディカル・エッセイ『左足をとりもどすまで』について、つづりたいと思います。
内容を簡単にお話しすると・・・
脳神経科医のサックス氏が、ノルウェイで登山をしている途中で転落事故にあい、大怪我を負ってしまいます。
その後、手術により傷は癒えたのですが、神経障害(固有感覚障害)のために脳の中の左足のイメージが失われてしまいました。
なぜか左足が自分のものであるとは感じられず、苦悩するサックス氏。
彼は医者でありながらも、患者として懸命に生き、ついに障害を克服し、そして、自らの足で歩き始めました。
・・・といったような話の流れですが、とにかく、医者であるサックス氏が患者になったことで、身をもって感じた心の変化が鋭く表現されていて、僕にとってはとてもためになる一冊でしたね。
実際には左足が「ある」のに、神経障害を負ったために、自分のものとは思えない感覚。そして、苦悩・・・。
僕にはこのエッセイを読んで、なんとなくその状況を想像することはできますが、実際のところのサックス氏の感覚や苦悩を理解することは『不可能なこと』だと思います。
そう、この本を読んでよかった!って思えたことは、この『理解することが不可能である』ってことを学んだことでした。
SKiPにも、なんらかの障害を持たれたお客さまがいらっしゃいますが、そのお客さまの本当の苦悩を理解することは不可能だと思いますし、このわからないっていうことをスタートラインにしたうえで、お客さまのことをわかろうと努力することが重要なことなんだと、今は思っています。
ということで、今後も読んで面白かった本は、このブログに感想をつづっていきたいと思います。
今日は立春(旧暦では2月4日が元日とのこと)ですね。
ひとつの節目として、また気持ちをあらたにしてがんばりたいと思います。