昨日、NHKの番組で、新体操の内村航平選手の特集をやっていました。(競泳の荻野選手の話と合わせて)
いろいろと面白い内容でしたが、その中で強く印象に残ったことがありました。
それは、内村選手とトップを争ったウクライナのベルニャエフ選手のコメントでした。
ベルニャエフ選手は6つある競技の中で、5種目目の平行棒が終わった時点で、内村選手に0.901点の差をつけることができました。
そのときの心境をベルニャエフ選手が、
「これで勝った、と思った」
といったようなコメントをしていました。
僕はそれを聞いて、「あぁ、だからベルニャエフ選手が金メダルを獲れなかったんだな」と思いましたね。
案の定、最後の鉄棒で、「得点は気にせず、いつも通りを心がけた」という内村選手は素晴らしい演技で高得点を叩き出し、「とても緊張していた」というベルニャエフ選手は無難な演技で、最後の着地も決められず、逆転負けを喫しました。
「人間万事塞翁が馬」という中国のことわざがあります。
ざっくりですが、「人生、何が起こるかわからない。いいこともあれば、悪いこともある。一喜一憂しない」といったような意味合いです。(詳しくこちらへ)
もし、ベルニャエフ選手が平行棒を終えた時点で、「これで勝った!」と思わずに、「平行棒はよかったけど、次はまだわからない。鉄棒でも自分のいつも通りの力を発揮するのみだ」と、淡々と考えることができたとしたら、ひょっとしたら金メダルを獲得できたかもしれません・・・。
あらためて、極限の戦いで勝敗を分けるのは、やっぱりメンタル(思考)なのかなと思いましたね。
だからこそ、今の新体操男子の世界では、(ベルニャエフ選手こそが金メダルにふさわしい、といったような意見もあったようですが)、僕はここ一番でメンタルを整え、120%の力を発揮することができた内村選手こそ『真の王者』だと、確信しています。
いやぁ、やっぱりスポーツって・・・面白いですね。