【4分解説】「歩くこと」と「セロトニン」の話。
溢れかえるほどの情報に晒されている現代社会では、目に見えないストレスを溜めがちだったり、スマホやパソコンなどのIT機器に接する機会が多かったりして、心身の健康バランスが崩れがちです。
そこで今回、幸せホルモンとも呼ばれている「セロトニン」という神経物質に注目して、歩くことを通じて、私たちにどのような好影響をもたらしてくれるのかをご紹介させていただきます。
今回は「ひとり散歩ミーティング(きこ書房)」と「自律神経をリセットする太陽の浴び方(山と渓谷社)」という2冊の本を参考にさせていただきました。
<セロトニン神経とその効果とは?>
セロトニンとは、脳幹の正中部(せいちゅうぶ)にある縫線核(ほうせんかく)にまとまって存在していて、目の網膜に入った太陽光の刺激によって活性化する神経のことです。
セロトニン神経が活性化されると、以下のような効果をもたらすと言われています。
・脳が覚醒して、直感が働きやすくなる
・心のバランスを整え、ネガティブな気分が抑制される
・自律神経のバランスが調整される
・姿勢を保つために必要な筋肉いわゆる抗重力筋と呼ばれる筋肉が活性化される
・痛みの感覚を抑制してくれる
要するにセロトニンは、僕たちの心身の健康にとって、とてもよい作用をもたらしてくれるホルモンといえますね。
そんなセロトニンですが、実は、自分で意識的に増やせるというのが大きな特徴です。
それでは、セロトニンを意識的に増やすためにどうしたらいいのか?ということですが、具体的には次の3つの方法がオススメです。
1・リズム運動
→歩く、呼吸、咀嚼といった日常的な活動でセロトニンを増やすことができるそうです。
2・太陽の光を浴びる
→さきほどお伝えしたように、太陽光により網膜が刺激されることによってセロトニンが増えるそうです。
3・グルーミング
→これは毛繕い行動、つまり、人と人が触れ合うスキンシップのことで、マッサージやおしゃべりなども効果があるそうです。
歩くことに関して言うと、例えば、街中や車通りの多いところでは目や耳から様々な刺激的情報が入ってくるため、リズム運動に集中できず、セロトニンが活性化しずらいそうですが、天気のいい日の朝、公園や自然の中で「歩く」ということに意識を集中して歩くと、ほとんどの方がセロトニンを活性化させることができるそうです。
反対にセロトニン神経の活動をさまたげる因子は「ストレス」とのこと。仕事などで疲労感が出てきたときはセロトニン分泌が落ちてきた警告です。そんなときは、少し外に出て10〜20分ほどお散歩することをお勧めします。
太陽の光を浴びながら自然の中を歩くことは、全身の血流を良くして身体が健康になるだけでなく、セロトニン分泌が増えることで、心が前向きになったり、直感が働きやすくなったり、痛みが抑制されたりと、いいことばかりですね。
心身の健康のために、ぜひご自身にあったペースで「歩くこと」を楽しんでくださいね。
ということで、今回の話は以上です。
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