【書評】病気の9割は歩くだけで治る!~ 歩くことは、どう身体にいいのか? ~
今回は「病気の9割は歩くだけで治る!」という本をご紹介させていただきます。
本書は、医者として兵庫県にあるご自身のクリニックで診療をしながら、数多くの健康本を世に出している長尾和宏先生が『歩くこと』をテーマにつづっている1冊です。
この本の中で、糖尿病や高血圧といった生活習慣病をはじめ、認知症、うつ病、不眠症、便秘、アトピー性皮膚炎、喘息、ガンといったあらゆる現代病の治療のために、歩くことがいかに重要かということを説明しています。
歩くことの効果をご紹介することで、現在様々な病気を患っている方や運動不足を解消したい方、歩きたいけどツライから嫌だという方が、「今日から歩こう!」と少しでも思えるようになる1冊だと思い、今回ご紹介させていただくことにしました。
江戸時代の庶民は、今の人たちよりも6倍、 およそ3万歩ほど毎日歩いていたと言われています。
明治時代や大正時代のサラリーマンも、江戸時代の庶民と同じぐらい歩いていたそうですが、その後、電車や自動車、バイク、自転車といった便利な乗り物が普及してからは、必然的に歩くことが減ってしまったとのこと。
そしてその結果が、
糖尿病人口・・・900万人
高血圧人口・・・4000万人
高脂血症人口・・・2000万人
認知症人口・・・460万人(予備軍を加えると900万人)
毎年100万人がガンを患い、年間で37万人が亡くなられている。
こういったさまざまな病気を予防するために、体を動かすこと。歩くことが大事だと長尾先生は説かれています。
例えば、認知症予防と歩くことについて書かれていたことをご紹介させていただきます。
愛知県にある国立長寿医療研究センターで行われた研究で、アミロイドβの沈着が認められ認知症が始まりかかっている人たちを集めて、毎日1時間、50から3ずつ引いていく計算をしながら歩いてもらったところ、1年後にはなんと脳内にたまりかかっていたアミロイドβが消えていたというのです。
ただ計算をしながら歩くだけ。頭を使いながら歩くということがポイントです。誰でもどこでもいつでもできる、こんなにも簡単なことで、認知症を予防できるのですから、やらない手はありません。
とのことです。
こういう研究データは、例えば介助する人にとってもとても重要な情報になると思いますし、そのノウハウを実際に実践するのとしないのとでも、治癒や予防に大きな違いがでると思います。
このようにこの本には、今ご紹介した認知症の例に限らず、糖尿病、高血圧、うつ病、不眠症、痛みのある病気、がん、風邪といった病気を治すために歩くことがいかに重要なのか、そして気を付けるポイントなどについて書かれています。
また、この本の中で「歩き方」についても、詳しく紹介されていました。
主なポイントとしては、
・丹田を意識する
・骨盤を意識する
・肩甲骨を動かす
といったようなことでした。
僕が学んでいるアレクサンダーテクニークとはアプローチが違いますが、
「足だけでなく全身で歩こう」
と言われていた部分は本当にそのとおりだと思います。
一般的に、正しい歩き方というと、カカトがどうとか、つま先がどうといったように「部分」に意識がいって「全体」を忘れてしまいがちですからね。
ほかにも
気持ち良く歩こうと思ったら、やっぱり手ぶらが一番。荷物を持っていると、肘を後ろに引いて肩甲骨を動かすということはできません。
とのことでした。
重たいショルダーバックなどの荷物を持っていると、先ほどお伝えしたように「全身」を使って歩くということを実践しようとしても、なかなか難しいのではと思います。
長尾先生は、どうしても荷物が必要な場合は両手が自由になるリュックサックをおすすめされていました。
靴選びに関しても高い関心をお持ちなのが伝わってきました。
特にぼくが共感した箇所は、
見た目もそうですし、履き心地という点でもそうです。履いただけで歩きたくなるような、あるいは置いてあるだけで歩きたくなるような靴を選ぶことが、歩くことを習慣にするためには、何より大事なポイントでしょう。
というところです。
思わず歩きたくなるような靴、心も体も喜ぶような靴を玄関先に並べておくということが、歩くことの習慣に繋がり、病気の予防にも繋がる、ということですね。
ということで長尾和宏先生の「病気の9割は歩くだけで治る!」という本をご紹介させていただきました。
現在様々な病気と闘われている方や運動不足を解消したい方、歩きたいけどツライから嫌だという方が、この本を読むことで、これまで知らなかった情報に触れることができたり、新たな気づきが得られるはずです。
興味がおありの方はぜひ一度読んでみてくださいね。
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