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【書評】いのちのスクワット 〜 スロースクワットがオススメな理由とその効果とは?









今回は「いのちのスクワット」という本をご紹介します。

本書は、東京大学名誉教授で、筋肉研究の第一人者でもある石井直方先生(いしいなおかた先生)が、ご自身のガンの闘病生活における体験も踏まえて、「ゆっくりスクワットすること」(スロースクワット)」の効果とその方法について、わかりやすく解説してくれている1冊です。


今回ご紹介する「スロースクワット」は、

・筋力や体力に自信がない
・自宅で無理なく足腰を鍛えたい
・膝や腰などに負担をかけずに足腰の筋肉をつけたい

といった方にオススメします。


◾️ウォーキングだけでは十分に筋肉を鍛えられない!?


「筋トレはやってないですが、毎日ウォーキングしてるから大丈夫です」と思われたあなた。

「残念ながらウォーキングだけでは筋肉を鍛えるためには不十分です」と石井先生。


筋肉は速筋線維と遅筋線維が混ざり合って構成されてますが、加齢によって減っていくのは、主に速筋線維です。

この速筋線維が衰えると、階段をスタスタと登ったり降りたりできなくなったり、転倒などケガの危険が高まります。

ウォーキングで主に使われるのは、持久力を発揮する遅筋線維で、お尻や太ももまわりの速筋線維を効果的に鍛えらません。

そこで、速筋線維を効果的に鍛えるための強力な方法が、スロースクワットということです。



◾️スロースクワットがオススメな理由とその効果とは?

立つ、歩く、座るといった日常の基本動作を支えている体幹や太ももの筋肉を効果的に鍛えることができるスクワットは、「エクササイズの王様」と呼ばれています。

スクワットでは、大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、脊柱起立筋など多くの筋肉を鍛えることができます。



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※引用:「いのちのスクワット」より





では、なぜ通常のスクワットではなく、ゆっくりとスクワットすることが良いのでしょうか?

石井先生は、以前されていた加圧トレーニングの研究で得た知見から、

「負荷は軽くてもいいから、筋肉が力を出し続けたまま、ゆっくり動かす。それが筋肉を効果的に太く、強くする」

というスロートレーニングの原理を確立しました。

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※このスロートレーニングを正式には「LST」、日本語では筋発揮張力維持スロー法といいます。
※加圧トレーニングとは
加圧ベルトで絞められた筋肉は血流が制限され、低酸素状態になります。
この低酸素状態で軽い負荷の筋トレを行うと、やがて筋肉は高い負荷強度をかけた場合と同じような状況になり、たくさんの速筋線維が使われるようになり、その結果、筋肉が太くなる、という原理です。
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スロースクワットでは、

「軽い負荷を筋肉に入れ続けることで血流は抑制され、筋肉は酸素不足になります。すると遅筋線維は早く疲れて、速筋が使われ鍛えられます」

と。石井先生。

つまり、スロースクワットは、軽い負荷で高強度の筋トレと同じような効果が期待できるということです。

そして、スロースクワットは他にも

・ゆっくりした動きなので、安全性が高い
・少ない回数で済み、体への負担が少ない
・体力別にさまざまな工夫が可能

といったメリットがあります。

ということで、実際にスロースクワットをやってみましょう。



◾️実際にスロースクワットをやってみよう


まずは準備体操から始めましょう。

その場で30〜50回ほど足踏みをしましょう。
身体が温まって血液循環がよくなり、スクワットの効果も高まります。


準備体操が終わったら、スロースクワットをやってみましょう。

①足を肩幅に開き、このように股関節に手を当て、やや腰を落とします。このときにつま先は膝と同じ方向に少し外側に開きます。

②息を吸いながら、ゆっくりと4秒かけて腰を落としていきます。

目安としては、太ももと床が平行になるまで腰を落とします(無理な方は、できるところまでやってみましょう)

③息を吐きながら、ゆっくりと4秒かけて腰を上げていきます。


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※引用:「いのちのスクワット」より





このように、スロースクワットの方法は、

「4秒かけてゆっくりと腰を下ろし、静止なしで、4秒かけてゆっくりと立ち上がる」

というやり方になります。


スロースクワットは、

・ゆっくりなめらかに動きつづける
・ひざを伸ばしきらない
・呼吸を止めない

の3つがポイントになります。

通常のスクワットが、1、2といった感じだとしたら、スロースクワットは、1、2、3、4とゆっくり腰を落とし、1、2、3、4とゆっくり腰を上げていきます。

そして、ひざを伸ばしきらずにまたゆっくりと腰を落としていきます。
このように、ゆっくりとなめらかに動きつづけることがスロースクワットのポイントになります。

5〜8回1セットとして1日3セット、週に2〜3回を目安にチャレンジしてみましょう。


以上がスロースクワットの方法になります。


◾️さいごに


本書の中では、今回ご紹介したスロースクワットの方法以外にも、イスを使用しての簡単な方法や、より強度を上げたい上級者向けの方法なども紹介されていました。

僕も最近このスロースクワットを初めていますが、膝や腰に負担をかけずに太ももやお尻といった大きな筋肉(速筋)を鍛えられて、とても効果を実感しています。

まずはセット数や回数にこだわらず、無理のないご自身のペースで始めてみてくださいね。
ということで、今回は「いのちのスクワット」という本をご紹介させていただきました。ご興味がおありの方は、ぜひ手に取って読んでみてくださいね。


「いのちのスクワット」(amazon)