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【コラム】80才以上の方でも安心して歩ける靴の選び方


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今回は、80才以上の方でも安心して歩ける靴の選び方についてお伝えしたいと思います。

「平成27年版 高齢社会白書(全体版)」によると、ご高齢の方が「要介護」となる主な原因は、脳血管疾患(脳卒中)、認知症、高齢による衰弱と続き、「骨折・転倒」は全体の12.2%を占め、4番目の多さになっています。

そのようなことを避けるためにも、そして日頃から足元の不安を少なくするためにも、外出用の靴や室内用の履き物は慎重に選びたいものですね。

もしあなたが80代以上で足元に不安を抱えられていたり、あなたのご両親やおじいちゃんおばあちゃんに80代以上の方がいらっしゃるようでしたら、ぜひこのまま読み進めてもらえると嬉しいです。

まず、ご高齢の方の足元の不安や悩みには、どのようなものがあるか考えられるものを挙げてみたいと思います。

■つまずき、転倒の不安

・身体が硬くなり(関節可動域の減少)つまずきやすい
・反射神経やバランス感覚、視力の低下などにより、ふらつきやすい

■足が痛い

・ウオノメや巻き爪、外反母趾など足に痛みがあり、歩くのがツラい

■筋力の低下

・手指の力が弱くなったり、おぼつかなくなったことで、靴をしっかりと履くことが困難
・靴が重く感じる、足に合っていないからか、歩くと疲れやすい

・・・といったような感じでしょうか。


そういった足元の不安や悩みを解消するためにも、そして、転倒や寝たきりを予防するためにも、足に合った靴を選ぶことはとても重要な要素のひとつです。

当たり前の話ですが、足の形、体力、筋力、バランス感覚、関節可動域などなど、お一人おひとりの状態はみな違いますから、断定的なことは言えませんが、そういうことを前提にした上で、ご高齢の方のための靴選びのポイントを3つほどお伝えします。




★ご高齢の方のための靴選び 〜 3つのポイント 〜


①履くと軽く感じる


「手で持つとそれなりに重く感じても、履くと軽く感じる靴」がオススメです。
「とにかく軽い靴がいい」という方がよくいらっしゃいますが、実際の靴の重さが軽ければ軽いほどいい、というわけではありません。
なぜなら、軽すぎる靴は、必要な機能や素材を削ぎ落としていることがあり、それらが足元の不安定さにつながったり、つまずきの原因になったりすることが十分に考えられるからです。
長く履いても疲れない靴、安定した歩行ができる靴は、必要な機能や素材を兼ね備えているため、適度な重さがあります。
そのような機能的な靴が、あなたの足にフィットしていれば、実際に足入れしてみると軽く感じるはずです。
もし重く感じるようなら、靴のサイズや形が足に合っていないか、脚力とのバランスが合っていないため、別の靴にしたほうがいいでしょう。


②履き脱ぎしやすい


靴を履くときに、しゃがんで腰を曲げたりすることが大変だったり、指先に力が入らないため、靴の履き脱ぎが大変だったりすることは、ご高齢になればなるほど起こり得るケースです。
そのようなことから、マジックベルトやファスナーなどの機能がついた、履き脱ぎしやすい靴を選ぶことが重要です。

ちなみに、当店では以下のような機能を付加するサービスをさせていただいています。(他店でお求めのお靴を加工する場合は有料サービスとなります)



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↑フックがあることで、ファスナーの上げ下げがしやすくなります



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↑ヒールループに指を引っ掛けると靴が履きやすくなります



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↑靴を履くときにベルトが金具リングから抜けないように、特殊なストッパー加工を施します




③つまずいたり、滑ったりしづらい構造


足指を広げやすい靴を履いていると、踏ん張りが効き、転倒予防につながります。
踵から甲にかけてフィットしていて、指先がゆったりしている靴を履くようにしましょう。

また、靴底は厚すぎず(薄すぎず)、硬すぎず(柔らかすぎず)、滑りにくい素材がオススメで、つま先が軽く反り上がってローリングしていると、つまずきの予防になります。


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以上が、靴選びのポイントになりますが、それ以外の補足として2点ほどお伝えします。




補足①「しっかりと靴を履くこと」


靴をしっかりと履くことは、特にご高齢の方にとって足元のトラブルや転倒を予防するためにとても重要なポイントです。
例えば、軽くて柔らかく、足に合っていないサイズの靴を、適当な履き方(靴紐を緩めた状態など)で履いて歩くと、どうなると思いますか?

そうです。

靴の中で足が滑ったりして不安定になり、その結果、つまずいたり、ウオノメや巻き爪などが悪化したりする危険性が高まります。
踵をしっかりと合わせて、マジックベルトや紐などで甲をしっかりと締めて靴を履く習慣を忘れないようにしましょう。


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【コラム】靴を履くときは「トントン、キュッ!」







補足②「足に合ったインソール」

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ヒトの足には数多くの感覚器(センサー)が存在します。その数は10000個以上とも言われています。
その感覚器が足裏からの情報を素早くキャッチし、その情報が神経を通って脳へ伝えられます。
足に合ったインソールによって、足裏の接地面積が増加し、その分、足裏から脳に伝わる情報量が多くなります。
その結果、脳もすばやく足の小さな筋肉に適切な指令を送ることができ、転倒やつまずきの予防につながるということです。

転倒を予防すること以外にも、足と靴の一体感が増すことによって、実際の重さよりも靴が軽く感じるはずです。
そういったことから、足に合ったインソールをオススメしています。
※当店では固有受容器インソールという特殊なインソールもご提案しています


ということで、

あなたや、あなたの大切なご家族の方がいくつになっても自分の足で歩くことを楽しめるように、今回お伝えしたいくつかのポイントを参考にしてみてくださいね。


【コラム】転倒予防のために日頃からできる5つの習慣



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